信じられない!

最近聞いた話だが、どう考えても『残酷』な現実がある。 あるところの寮の話だが
、そこは気温も高く湿度も高い真夏でも、消灯時間になると冷房は止められてしまい
、翌日の起床時間にならないと入らないという非常に寝づらい環境に置かれているら
しい。 それに加えて扇風機の持ち込みは禁止されていると言う。 建物全体がこの
ような状況で皆が同じ条件の中我慢しているのなら、そうそう文句も言えないが、こ
こは障碍者施設で、多種多様の障害を抱えた人が利用している。 障害の種類によっ
て、サポートの種類が違うのは理解できる。 だが、生きている人間ならこの日本の
夏に体を冷やす手段が与えられない中ではたして元気で健やかにいられるだろうか。
 ここのことを言うと、寮には東と西があって、東には肢体不自由の人や聴覚障害
人がいると聞いている。 このような人の中には体温を自力で調節できないという障
害を抱えている人も何人かいるらしい。 そういう人達に24時間冷暖房完備してあ
るのは当然だろうが、そうでないからと言って必要ないと言うのはすじが通らない。
 西側には視覚障碍者高次脳機能障害の人達が利用しているが、こちらは先ほどと
違い、職員からのサポートが少ないうえに熱帯夜の中で睡眠をとっている。 個々が
工夫して、倒れないようにかなり気を使っている。 何が納得できないかと言うと、
施設である以上、どの時間帯にも必ず職員がいる。 職員が過ごす部屋は東側と同じ
く24時間冷暖房が完備されているということだ。 要するに「西側の利用者」=「
視覚、高次脳機能障害者」だけが苦しみながら生活しているということだ。 日中で
も西側は冷房の効きが悪く、寮の部屋にいないはずの時間にはしっかり止められる。
 体調不良や諸事情のため部屋にいないといけない時も我慢しているらしい。もっと
言いたいのは障害が重複していることにより、水分摂取を控えなければならなかった
り、温かいものを口にしたり、肌に当てられない人もいる。 冬はまだなんとか布団
にもぐればしのげるだろうが、夏はそうはいかない。 実際に熱中症で苦痛を訴えて
いる人がいるというのに、ひどい話だ! 「なんとかなりませんか!」 と職員に訴
える人もいるそうなのだが「そんなの知るか!我慢しろ!」と言われて終わりになる
らしい。 私も持病のため、暑い場所で耐えるのはよろしくないと主治医に言われて
いるので、ここで夏は過ごせないなと感じた。 ちなみに東と西で多少の差はあるよ
うだが、光熱費を払っているのは利用者であって、職員は「電気使用料」として払っ
たりはしていない。 まだまだ残暑は続く中で、入寮してまで勉強したり、訓練を受
けたりして、努力しているというのに、環境が整わず、職員の対応もつめたいとはな
んということか! このままでは死者が出てもおかしくない。 私が一時利用してい
た盲学校の寮ではまだ古かったため、冷房はなく、暖房もあまり効かなかったが、危
険物でなければ何を持ち込もうと自由だった。 環境破壊が進み、夏の暑さが厳しく
なり、熱中症患者が増えてきた数年前からは学校もさすがに冷房を完備し、教室など
でも当時は扇風機すらなかったが、今は使えるようにしていると聞いている。 昔と
気象状況が違うのだから、体に優しい設備を整えるべきだ! そしてお金が発生しな
いとなんのサポートもせず、訴えにも聞く耳持たないのなら、職員などやめてくれと
言いたい! 簡単にできるであろうことにもめんどうなのか、ケチなのか手を出さな
いような場所なら、私達は安心して生活できない! どれほど苦しいか、職員と利用
者が部屋を変って過ごしてみればいいのに。 こんな現実があるとは情けなくもあり
悲しくもなる。