会えなくても大切な人

今日は私の祖父、祖母のことを書いてみようかな。 母方の祖父、祖母は知らないん
だけど(母も父親は知らず、母親も早くに亡くしたので) 父方の祖父、祖母だけな
んだけど、そんなに遠くじゃないけど車で一時間以上かかるところで、ずっと離れて
暮らしてるんです。 前に書いたとおり、私は子供の頃乗り物酔いがひどかったから
本来ならたまに会いに行くのが常識なんでしょうけど、父に怒られるのも怖いし、気
分悪いのも嫌だからってあんまり行かなかったんですよね。 年に2回くらいだった
かな〜。 私の父は男ばっかりの3人兄弟で長男なんですけどね、祖母は我が子が男
ばっかりっていうこともあって、私のことはとってもかわいがってくれましたし、私
@
も私のために奇麗な箱の中に、当時流行っていた少女漫画とか、におい玉とか、星の
砂とか、可愛い小物をいっぱい積めたプレゼントを用意して待ってくれてましたよ☆
 田舎に住んでて近所にお店がないからおそらく自転車をこいでデパートへ行ってた
か、本数の少ないバスを使ったかどっちかだったんだと思うけど、それをもらった私
はもちろんうれしいけど、孫のために選んで買って受け取った孫の顔を見れる祖母も
うれしかったんじゃないかな〜? 足腰も丈夫で坂道でも平気で歩いてて、荷物を抱
えて数キロ歩くのも平気で「おばあちゃんって元気だねぇ。」って両親とよく言った
もんですよ。 祖父は確か70すぎまで仕事に出てたんですよ! 溶接の免許を持っ
てますから頼られてたらしくって☆ 今は83で数年前に病気で入院したりしたけど
、なんとか回復したみたいで、それなりに元気でいるらしいから今は一安心。 祖父
はもともと家のこともちょこちょこやる人みたいで、年とったけど自分で食事、洗濯
、掃除なんかはやってるから〈手がかかる〉っていうことはないんですよ。 祖母は
他人と付き合うのが上手で、祖父は家事をやる人。 ‘父はどっちに似たんだろう?
’ 祖父と私は連絡をとってないからたまに父から「なんとかやってる。」って聞く
だけだけど、まあそれならいいやって心配はしてないんですよね。 祖母は私が18
になった日に亡くなったんです。 だから今だになんにもしてあげられなかったこと
を後悔してるんです。 あんまり会いに行かなかったし、祖母が入院した時も乗り物
酔いはしなくなってたけど、高校生だった私は病室でただ座ってることしかできなか
った。 もうちょっと後だったら少しは知識があったから、何かできただろうし、弱
ってる人に話しかけることもできたのに。 黙って座ってたあの頃の自分がふがいな
いと感じるくらいで戻れるなら月日を戻してちょっとでも孫の役目を果たしたいって
思い続けてる。 祖母は自分が入院してて辛いのにその頃たくさん病気が見つかって
た私のことを心配して、両親に私を早く自宅に連れて帰るようにと言ってたのが忘れ
られない。 両親は何度かお見舞いに行ってたけど、私はその一回だけだった。 そ
れからどのくらい経ったんだったか忘れたけど、日付が変わって今日は私の誕生日っ
ていう日の夜中に電話があって父だけが車でどこかに行った。 それがなんだっ
たのかを後で母から聞いた時にはこらえきれずに母の前で号泣した。 母も泣きなが
ら「好美が辛いことをおばあちゃんはわかってくれてるから悔やまなくても許してく
れるよ。」と言っていた。 このことがあってから『親孝行したい時に親はなし』の
意味がわかったような気がした。 孫だからちょっと違うけど、亡くしてからじゃど
んなに悔やんでも無駄だから。 初めてお葬式を経験したけど、自分が知っていてそ
れも幼い頃から可愛がってくれていた人の力尽きた顔は見たくなかった、触れたくな
かった。 あまりにも違いすぎることに私は耐えられなくって、その場にいるだけで
悲しくて、ずっと泣いていた。 火葬場で焼くためのボタンがあるらしくて長男であ
る父が押したけど、私はずっと見ないように母の影に隠れていた。 やるべきことが
終わって一段落して、年に数度のお墓詣りの時も他の墓には何を感じるということは
ないけど、祖母の墓の前ではどうしても泣かずにはいられない。 気づけばあれから
16年が経つ。 今度十七回忌だそうだが、母も体調を崩し、私は自分の生きる道を
見つける旅に出てきたわけで、もう祖母のお墓にすら行かれなくなるかもしれない。
 これからはおそらくこういうことには父だけが役目を負うだろう。 昔をちょっと
振り返ってみたけど、祖母の大きな体と心、温かい手、優しい口調は私の中にしっか
り残ってる。 そして今でも元気でいてくれる祖父にも感謝の気持ちはたくさんある
。 いつまでも私の知ってる大切なおじいちゃんとおばあちゃん☆ なんにもできな
い、何一つ助けてあげられなかった私を許して下さい。 これからもなんの役にもた
たないでしょう、もしかしたらおじいちゃんには何かしてあげられることが見つかる
かもしれないけど、おばあちゃんにはなんにもできなかった私です。 だから同じよ
うな後悔をしないように、父と母を大切にします。 できることはできる限り尽くし
ます。 そして本当のところは全くわからないし知るすべもないけど、きっとおじい
ちゃんもおばあちゃんも私が楽しんで生活できて幸せになれることが一番の願いなん
じゃないかなって思ってるから、これからはしっかり前を向いて長い人生を全うする
べく思いっきり楽しんで喜んで、いくつも苦労して悩んで、自分の選んだ道が間違っ
てないってことを証明できるように頑張るから、そこから見守っていてね☆ 田舎暮
らししてるおじいちゃんにもどこかで確かに形はなくとも存在してるおばあちゃんに
も、いつか人として女性として、立派になった私を見てもらえるように・・・