合宿に参加した決心

私は理療科生の頃だけ

ちゃんと勉強してたわけですけど

理療科は三年間で

国家資格を取るために

教科書で勉強するだけじゃなく

実際一番必要な

実技も学ぶわけですが

三年生になると

資格がないだけで

実技の腕は研かれてるんですよ。

だから校内にある治療室で

一般の患者さんを相手に

更に技術を高めます。

それは毎日あることで

時間割に組まれてますけど

その他にある田舎へ出向いて

3泊4日の合宿実習があるんですよ。

それは近くに治療院などがない

田舎暮らしの人達が

毎年楽しみにしているもので

私も三年生になれましたから

当然行くことになったわけです。

でも私は病人で

内蔵の状態だけを言えば

今より調子は悪かったから

3泊4日で18人を

施術するっていいうのは

ハードで耐えられないような気がして

体力に自信がないから

一日に一人二人なら

できると思うんですけどと

担任に相談したことがありました。

すると後日担任から電話があって

「実技担当の先生達と相談したんだけど

そんなにできないなら

来ない方がいいって言われたんだ。」

と伝えられました。

それにむかついたわけじゃないんだけど

負けん気の強い私は

バカにされた気がして

これでいいのか

言われるがままでいいのかと

自分だけで数日考えました(~ヘ~;)ウーン

自分の身体のことだから

医師にはそのことを相談したけど

両親には特に相談しませんでした。

医師に過激なスポーツじゃないだろうから

大丈夫でしょうと言われて

私も休んだら

負けたような気分になるから

合宿日の数日前に

担任と実技担当教員に

会議室へ来てもらって

最終的に私が出した

結論を伝えることにしたんです。

どう言ったかと言うと

「あれから考えてみました。

私は自分の体力に自信がないので

あまりできないと言ったんですけど

私は自宅から電車とバスで

毎日登校できてますし

授業もみんなと同じように

やってきてますから

頑張ればできなくはないだろうと

考え直したんです。

医師にも相談したんですけど

今の調子ならまあ大丈夫だろうと

言われたこともありますから

命に関わることはないと思います。

なので自信はないですけど

みんなと一緒に行きたいんです。

そこで自分がどのくらいできるか

試してみたいと思ってますので

私も行かせて下さい!」

というようなことを言いました。

命を懸けると言うのは大袈裟だけど

くたびれて倒れるのを

覚悟してでも経験しておくべきだろうと

決意表明したわけです。

担任も実技担当教員も

「いろいろ自分で考えてみたんだねぇ。」とか

「その気持ちを聞けてうれしいです。」

と言っていました。

理療科というのは普段何をしても

褒められるような世界ではありません。

まあ勉強がよくできれば

よくやったとは言われますが。

そんな環境でしたけど

私は理療科で学んで

それを仕事に生かそうとしている以上

この期会を逃したら行けないと

身体が勝つか負けるか

一種の賭けに出たわけです。

そしてみんなと一緒に行って

元気な男性生徒と同じように

施術に取り組んで

無事に過ごすことができました。

教員が何人かいたんですけど

担任が私からの

決意を伝えたんでしょう。

私は休もうと思わなかったけど

数人相手にしたら

「今日はもう休んでいいよ。」

と言われた日もありました。

宿泊先でもみんなと

仲良く過ごせたし

エネルギーは使ったけど

それほどくたびれることはなく

充分役目は果たせました。

それは一緒に行った

教員も仲間も認めてくれました。

厳しいなとかできないだろうなと

思うことは病人なら

いっぱいあるけれど

今の自分がどんな状態にあるかを

考えてみて可能かどうか

決めるべきだなと思いました。

今でもそんなことはできないと

思ってることがあります。

皆さんにもあるんじゃないですかね?

でも私達には可能性というものがありますから

明らかに無謀でない限り

やってみるべきだと思います。

まだ若いから経験が浅いから

できそうにないということはあるでしょう。

それは月日が解決してくれるでしょうけど

歳だからとか不自由だからとか

男だからとか女だからとか

そういう理由づけは

物事を避けてることになります。

避け続けたらどうなるか

どこにも行かない誰にも会えない

何も新たな体験をしない

ということは精神が育ちません。

年齢だけ重ねた子供はいらないんです。

自分がどうするべきなのか

甘えていいことなのか

それとも思い切って挑むべきなのか

それを考えて実行して

結果を出すのは自分自身です。

そういうことが苦労であったり

しんどいことだったり

我慢することでもあるでしょう。

でもきっとそんな経験が

あればあるほど

大人になれるんじゃないかなと

大人になれてない私は感じてます。