地元施設便りの原稿後半

先日の続きです。

今日は訓練施設の必要性に

重点を置いた記事です。

掲載記事ここから。

私は専門の訓練施設へ入所していたのでよくわかるのですが、

訓練士と呼ばれる方々のご指導は私の知る限りでは

口調が厳しく、怒られているような感覚を味わう

ということは一切ありません。

私達の真の辛さはもしかしたら健常者である限りわからないかもしれません。

ですが、辛さを理解しようとして下さっていることは

実際お世話になると伝わってきます。

訪問訓練士さんも大変穏やかな方なので、ご指導に感謝できますし、

ますます 多忙になられている状況の中、

一人一人の元に訪問されて、訓練をして下さり、

適度に休憩をしたり、時にはちょっと頑張ってみたりと、

私達訓練生に余分な負担のないようにご指導下さるのは

本当にありがたいことだと頭を下げなければなりません。

そして訪問訓練士さんと度々話すことの中に

「専門の訓練施設には不可能でないならみんな行った方がいい。」

という話題があります。

私は遠方の施設まで行きましたが、

別に遠くへ行く必要はないですから、

地方から行ける場所にも訓練施設はあるので、

できるなら行ってほしい、それによって習得できることが

どれほど大きな財産になり、自分の生活を良いものに変えられるか、

ぜひ経験してくるべきだというのは私だけが言うのではなく、

訪問訓練士さんの願いでもあります。

現在私以外にも訪問訓練士さんにお世話になっている方がいらっしゃるはずですが、

訪問訓練に頼ってはいけないとは言いませんし、

行きたくても行けないという方もいらっしゃると思いますので、

安易に行って下さいとは言えませんが、

訪問訓練に比べると、得られるものの質が 違います。

訪問訓練士さんを悪く言うわけではなく、

やはり一定期間一カ所に留まって、毎日数時間かけて訓練を受けるのとは

かなりの差があります。

訪問訓練士さんもおっしゃいますし、

私は経験者なのではっきり言い切ることができます。

私がここに書いたような近距離の場所から遠距離の場所までという

数カ所の歩行訓練をしていただけて、一人歩行が可能になったのは

私が専門の訓練施設で歩行に関する様々な基礎知識や技術を

習得済みだから実行できたと言っても過言ではないんです。

なので、私も以前は歩行テクニックがあまりなく、

理想的な歩き方ができていませんでした。ですが、

施設で習得したことが多いので、

白杖歩行についてのいろいろな知識や技術があると今では言えます。

当時リハ講師の方に「こういう所はこうして歩くんですよ。」

などと言われても、どうしてその歩き方が良いのかなどわからなかったものですが、

地元で実際自分が必要としているルートで訪問訓練士さんに

リハ講師と同様のことをご指導いただいていると、

なぜ訓練士さんがそうおっしゃるのか、なぜその方法が良いのか、

更には自分でも「ここではこうした方がいいんだろうな。」

ということまでわかるようになります。

今回は訪問訓練士さんのおかげで可能になった

一人歩行について書きましたが、

pcや点字、調理や掃除などの日常訓練についても、

施設で集中的に指導を受けている方が、

実際の生活に取り入れて役立て、活用することができる

ということに間違いはありません。

どちらにしても一度教わればどこでも行けるわけではなく、

どなたかの 講演を聞いただけで白杖を使いこなせるというわけでもありません。

日常生活訓練の中で一人歩行は一番

リスクのあることになりますから、理想としては

訓練施設で基礎を身につけてから地元で訪問訓練を受けるのが

最適なやり方になるかと思います。

私は現在も某所への一人歩行を可能にするべく、

新たなルートの訓練をしていただいていますので、

引き続き精進するよう心がけます。