冷えはタイプが分れます

今回は寒さを感じることの中でも「冷え」について書くことにします。 一般に言わ
れる「冷え」には表現が2つあり、当てている字も違えばとらえ方も違いますので、
自分がどの状態なのか把握して、それに合った対処法を実行して下さいね。

西洋医学では手足が冷えてつらい症状を病気ではなく、体質的な問題と考えます。 
病気ではないので「冷え症」ではなく「冷え性」と表します。 西洋医学では病気の
場合は「症」を体質的な問題の場合は「性」を使うようです。 病気ではないので、
治療対象にはなりません。

それとは逆に東洋医学では病気と認識されていて、「冷え症」と表します。 もちろ
んきちんと治療対象として考えられています。

では「冷え性」のタイプをあげておきます。

自律神経失調タイプ

冷え性で一番多いタイプです。 疲れやすい、疲れがとれずいつもダルイ、 寝つき
が悪い、頭痛や肩こりで悩んでいるタイプです。

自律神経とは神経の一つですが、自分ではコントロールできない部分に働く神経です
。 例えば汗をかく、暗い所に入ったら瞳孔が開くなど。 この自律神経は2つに分
類されます。 活動の交感神経と休憩の副交感神経です。 通常は、この2つがバラ
ンスよく働いていますが、何かの理由により、ひどく崩れてしまったのが自律神経失
調症です。

自律神経のバランスを崩す原因は?

生活リズムの乱れ、過度なストレス、女性ホルモンの影響、これ以外にも、ストレス
に弱い体質や性質などのもともと持って生まれた体質にも影響します。

自律神経失調タイプの冷え性改善方法は?

規則正しい生活、食事は3食摂取する。 夕食は昼食より軽めがよく、甘いものをと
り過ぎない、運動も仕事も適度に、一日にストレスを解消するリラックスタイムを持
つようにしましょう。 仕事をしている方などは、なかなか規則正しい生活は難しい
と思いますが、忙しいなりに規則正しい生活を心がけましょう。

ポンプ力低下タイプ

運動不足や低血圧の人はまさにこのタイプです。 朝起きるのがとてもつらい、胃腸
が弱い、立ったままでは靴下が履けないという人はこのタイプです。

血液は心臓から送られ、動脈を通り、毛細血管で体の隅々まで行き、静脈を通ってま
た心臓に戻ってくるというのを理科の時間に学んだ人は多いでしょう。 ポンプ力低
下タイプとはその心臓のポンプの力が弱く、血液がきちんと送られない、帰ってこれ
ない。そのため、血行不良が起こるというものです。 帰りの静脈では流れが緩やか
になるため、筋肉収縮がポンプの代わりを果たします。 低血圧の方が、まさにこの
タイプで、低血圧な上に筋肉が弱いとさらに血行不良に陥りやすくなります。

ポンプ力低下タイプの冷え性改善方法は?

低血圧は持って生まれた体質ですが、規則正しい生活やバランスの取れた食生活、運
動によって改善されるものです。 また、筋肉をつけることも冷え性対策には効果が
高いです。

貧血タイプ

このタイプも女性が多いでしょう。 顔色が悪い、ダイエットをしている、偏食気味
、貧血の人はまさにこのタイプでしょう。

貧血だと、各器官に送られていく血液中の酸素の量が不足してしまい、うまく栄養が
燃焼されません。 このため、体は熱不足になり、疲れやすく、体は冷え性になりま
す。 冷え性というと、手足が冷える人が多いですが、このタイプの人は全身が冷え
てしまいます。 また、女性は月経があるため、貧血になりやすいので要注意です。

貧血タイプの冷え性改善方法は?

鉄分が多い、レバー類、青魚、海藻類、緑黄色野菜を積極的にたべましょう。(緑黄
色野菜はビタミンCを一緒にとると吸収されやすくなります) 食事制限のあるダイ
エットはしない、スポーツは貧血の時はお勧めできません。 貧血の時は酸欠状態な
ので、スポーツによりさらに血液が筋肉にいってしまい、脳に酸素がいかなくなりま
す。 そのため、めまい、立ちくらみを起こしやすくなります。

女性特有の冷え性タイプがホルモン分泌の変化での冷えです。 更年期や妊娠などで
ホルモンバランスが変化し、冷え性になりやすいということが言えます。 女性の場
合、女性ホルモンが分泌される量は一生のうちで大きく変化します。 初潮の後は妊
娠、出産、更年期などホルモン分泌の大きな転換期は肉体的にも精神的にもたくさん
の変調があり、この時季の体質が変わったという女性も多いでしょう。 この女性ホ
ルモンの分泌がコントロールしている所と、自律神経のバランスをコントロールして
いる所は同じであるため、ホルモンバランスの変化が自律神経のバランスにも影響し
てしまうのです。

ホルモンバランスの変化による冷え性の改善方法は?

更年期などで、冷え性になっている場合はその時期が収まると治ることがふつうなの
で、特に心配はいらないようです。 ただ、病気などでホルモン分泌が変化している
場合もあるので、その時は要注意です。

腑湯が寒いのは当たり前で、得て不得手はあっても誰でも寒い、冷たいと感じますね
。 女性に多い「冷え」と言うのはたんなる寒がりとは違うので、ひたすら温めれば
いいというわけでもありません。 自分の体質と生活リズムなど、あらゆる方面から
考えて、つらい寒さや冷たさから少しでも逃れられるといいですね。 ただの寒がり
なのかそれとも体が冷えるという一症状なのか、知っておく方がいいでしょう。